点音源と線音源
距離による減衰の仕方は、音源の形によって変わります。
- 点音源:機械1台、スピーカー、室外機など、小さくまとまった音源。音は球面状に広がります。
- 線音源:交通量の多い道路、長い生産ラインやコンベアなど、細長く連続した音源。音は円筒状に広がります。
計算式
点音源:L₂ = L₁ − 20·log₁₀(r₂ / r₁)
線音源:L₂ = L₁ − 10·log₁₀(r₂ / r₁)
L₁:距離 r₁ でのレベル L₂:距離 r₂ でのレベル
点音源では、音のエネルギーが球の表面積(距離の2乗に比例)に広がるため、距離が2倍になるとエネルギーは1/4になります。10·log₁₀(1/4) ≒ −6.02dB です。線音源では円筒の側面積(距離に比例)に広がるため、距離2倍でエネルギーは1/2、つまり −3.01dB になります。
| 距離の変化 | 点音源 | 線音源 |
|---|---|---|
| 2倍 | −6.02 dB | −3.01 dB |
| 3倍 | −9.54 dB | −4.77 dB |
| 10倍 | −20.00 dB | −10.00 dB |
早見表:1m地点で85dBの場合
| 距離 | 点音源 | 線音源 |
|---|---|---|
| 2 m | 78.98 dB | 81.99 dB |
| 5 m | 71.02 dB | 78.01 dB |
| 10 m | 65.00 dB | 75.00 dB |
| 20 m | 58.98 dB | 71.99 dB |
| 50 m | 51.02 dB | 68.01 dB |
| 100 m | 45.00 dB | 65.00 dB |
計算例:何m離れれば目標値になるか
1m地点で90dBの機械(点音源)があり、60dB以下にしたい場合、必要な減衰量は30dBです。式を変形すると次のようになります。
r₂ = r₁ × 10^((L₁ − L₂) / 20)
= 1 × 10^(30 / 20) ≒ 31.6 m
線音源の場合は、分母の20を10に置き換えて計算します。
計算するときの注意点
- 反射の影響:床や地面に置いた機械は反射音が加わるため、自由空間より同じ距離で約3dB高くなることがあります。ただし、2地点間の減衰量(差)は同じ式で求められます。
- 近すぎる距離:音源の大きさと同程度以下の距離では、点音源とみなせず、式どおりに減衰しません。基準点は音源の大きさより十分離れた位置にとるのが基本です。
- 有限の長さの線音源:近くでは線音源として振る舞いますが、長さに比べて十分遠い地点では点音源に近い減衰になります。
- 屋内:壁や天井の反射音が多いと、離れても音が下がりにくくなります。
- その他:遠距離では空気による吸収、塀や建物による遮音、地表面の影響なども加わります。
本ツールと上の式は、これらを考慮しない理論値です。実際の環境では測定値と差が出ることがあります。